屋外水槽のチビメダカを救助した里山です。
今回は前回に引き続きLEDの話です。
里山は屋外でばかりメダカを育てていたので、室内水槽のことは全くの無知です。植物(水草)に必要な光のことすら知りませんでした。
調べてみたら、予想以上に奥が深かった……。
光合成と色素
植物に含まれる色素としてパッと思い付くのが、クロロフィルやカロチンではないでしょうか?特にクロロフィルは理科や生物の教科書にも出て来る有名な色素です。
この色素たちは、植物内において光合成を担っています。
クロロフィル
aとbとがあり、それぞれに役割が少し異なります。
aは反応中心色素と呼ばれ、光を吸収伝達する色素です。光合成の反応も担っています。
bは集光色素と呼ばれ、光の吸収伝達を行います。光量が足りない時にはクロロフィルbが増加し、たくさんの光を集めようとします。
カロチン
主にβカロチンのことです。
今までβカロチンは、クロロフィルbと同じような作用があると考えられていました。ですが、最近ではその逆で、強い光を受けた時のエネルギーを消す働きがあることがわかって来たそうです。
フィコビリン
藻類が光合成を行うために利用する色素です。
そもそも光合成とは何か
光合成とは、光合成色素をもつ生物(植物や藻類など)が行う「光エネルギーを化学エネルギーに変換する生化学反応」のことです。
植物が葉緑体(クロロフィルなどの色素を含む細胞小器官)により光合成を行っていることは、学生時代に勉強したかと思います。
植物は光エネルギーを使い、水と空気中の二酸化炭素から炭水化物(デンプンなど)を合成しています。また、水を分解する過程で生じた酸素を大気中に放出しています。
一般的な化学式は……
12H2O + 6CO2 → C6H12O6 + 6O2 + 6H2O
水と二酸化炭素から、炭水化物と酸素、水が生まれていますよね。
色素の光吸収率
前回の記事で「ルーメンは植物の成長に関係ない」と書きました。
光合成色素が吸収する光の波長と、ヒトが明るさを感じる可視光線の波長とが異なっているからです。ヒトの目には明るく見えない光であっても、植物が欲する波長の光であれば光合成は行われます。
吸収率の高い光
赤色波長(640~690nm)、青色波長(400~470nm)の光は、最も効率的に光合成色素に吸収されます。
他の波長の光であっても光合成は行われますが、吸収率が悪いため効率良く光合成が行われません。
太陽光ではなく人工の光で植物を育てる場合は、赤色と青色の光に気を配る必要がありそうです。
植物専用の蛍光灯も販売されています。水草メインの水槽であれば、観賞用のLEDではなく、専用の蛍光灯を購入した方が良いですね。(→参考サイトへ)
青と赤
青色の光と赤色の光では、植物に与える影響が異なります。
青色の光には葉を厚くしたり、茎を太くするなどの形態形成の役割があります。対して赤色の光には植物の茎を伸ばすなど、伸長させる作用があります。
光合成に必要な光は、第一に赤色、第二に青色とのことです。
光をあてる理由
植物の種類にもよりますが、長日植物は日が短くなると休眠してしまいます。
文字通り眠ってしまうので成長をしません。植物は温度変化でも季節を感じ取りますが、日の長さでも季節を感じているのです。
日が短くなる冬でも夏と同じように植物を育てたいのなら、13時間以上光をあてておくことが大切です。
冬のメダカ飼育(繁殖)と一緒ですね!人工的に夏の環境を再現するんです。
おわりに
今回は光合成と、それに必要な光の波長についてまとめました。次回、光についてまとめた記事を書こうと思います。
硬くなるのか?
室内に置いてあった、ふにゃふにゃ葉っぱのホテイアオイ。
引越して数日が経ちましたが、LEDの青色光により葉は硬くなるのでしょうか?