メダカ大好き里山です。
メダカがじっとしている冬季は何だか退屈です。暖かな春が来るまでの間、冬季限定「スモーク部」を発足してしまいました。職場の人たちを仲間に引き込みつつ、楽しく遊んでいます。
燻製(スモーク)は細菌について学びつつ、食材も美味しく頂ける素晴らしい調理法です。
本格的なメダカシーズン前に、自家製スモークはいかがですか?
燻製とは何なのか
燻製とは、食材を燻煙させることで保存性を高めると共に、特有の風味を付加した保存食(または調理法)のことです。食品に煙の殺菌成分が浸透すると同時に、食品の水分量を減少させて水分活性を低下させ、保存性を高めます。
水分活性とは食品中の自由水の割合を表す数値で、食品の保存性の指標とされています。
自由水とは、文字通り自由な水のこと。食品中を容易に移動します。(タンパク質や炭水化物などと結合している水は結合水と言います。)
食品中で細菌などの微生物が繁殖するためには自由水の存在が不可欠です。ですから、食品の保存性を高めようとするなら、自由水の割合を減らす必要があります。
細菌の増える条件と燻製
細菌が増殖するためには「栄養」「温度」「水分」が必要です。
繁殖条件① 栄養
ヒトの栄養となる食品は、細菌にとってご馳走です。多くの細菌が有機化合物を食べ、それを分解してエネルギーを得ています。
繁殖条件② 温度
ほとんどの細菌は10~60℃で繁殖をします。菌の種類にもよりますが、30℃以上37℃以下は最も繁殖しやすい温度と言われています。
繁殖条件③ 水分
菌の繁殖には水分が必要です。
水分活性の低下が食品の保存性を高めるのはこの為です。食品に含まれる自由水の割合が少なければ少ないほど、細菌は活動し難くなります。
この3条件が揃うと菌はみるみる増殖して行きます。逆に言えば、この条件の内、1つでも欠くことが出来れば、菌の増殖を抑えることが可能ということです。
燻製は……
・煙の中の殺菌・防腐成分(ホルムアルデヒドやフェノールなど)で細菌を死滅させる
・アルデヒド類と食品のタンパク質が結合し皮膜を作ることで、細菌の侵入を防ぐ
・食品を乾燥させることで、細菌の増殖を防ぐ
と、いうことを行っている調理法です。
ただ煙をモクモクさせて風味を付けているだけじゃありません。いざという時のための保存食を作る上でも、覚えておいて損は無い調理法です。
自家製スモークを楽しむ
燻製には熱燻、温燻、冷燻と、温度と燻製時間に応じた3種類の燻製方法があります。自宅でも簡単に出来るのは、高熱で加熱調理まで行う熱燻です。
熱燻は保存性には乏しいですが、自家製スモークの入門に最適です。私がスモーク部に勧誘した(笑)職場の方たちも、土鍋使用のお手軽熱燻であれこれ楽しんでいます。
見えない存在に支えられて生きている
メダカを飼育していると、水槽内には沢山の微生物がいて、みんなで協力し合って生きていることがわかります。
一見、燻製とメダカは関係ないようですが、「見えない存在に気づく」という点では似通っていると私は思います。
学んでいる内容は中高生の理科(生物)なんですが、先生の教え方が上手だと勉強するのも楽しいですね!
これからもメダカ先生に生物のことをいっぱい教えてもらいます。