今日も楽しくメダカウォッチング、里山です。
ロングフンメダカ、元気になりました。エサもよく食べますし、よく動きます。
――それなのに、何かが変だ
何時までも尻下がりが治らないので、じーっくり見ていた時のこと。ふっとした拍子に、あることに気付きました。
「背骨、曲がってる……。」
品種と奇形
背中がこんもりと盛り上がって見えているのは、弱って尻が下がっているため。そう「思い込んで」いました。
この「思い込み」のせいで発見が遅れました。病気メダカは僅かながら、背骨に奇形があったのです。
極ブラックと比較してみましょう。(※信頼出来るブリーダーが選別した個体のため)
普通種体型の正常な個体は尾から頭まで、すっと一直線の美しい背骨をしています。矢印で示した部分にも変な盛り上がりはありません。
↓背中が山形に盛り上がっている病気メダカ。
尻下がりに見えるのも、背骨が緩い「へ」の字になっているからです。
入れている器の形状で歪んで見えているわけではなく、背骨が曲がっているのです。
奇形が出難い種
奇形では無いと思い込んだ理由の1つに、病気メダカが普通種体型であったことがあります。普通種体型のメダカはヒカリメダカなどと違い、背骨の奇形が出難いです。
「出難い」と「絶対に出ない」では、意味が全然違いますよね。
変な知識があったせいで、その点が隠れてしまい「普通種だから背骨の変形ではない」と思い込むことになってしまったのです。
微弱な曲がり
今夏生まれのコスモ(ヒカリ体型)には、かなりの背曲がりが見られました。はっきりとわかる程の曲がりです。
ですが、今回の病気メダカの背曲がりは程度としては小さめ。日頃メダカを横から観察する機会が少ない里山は、ぽろっと見逃してしまったのです。
「思い込み + 経験不足 =見逃し」
上記の図式になってしまいました。
背骨の奇形があると
背骨は骨格を支える屋台骨であり、そこから連なる肋骨は内臓を保護しています。
また、中には脊髄(中枢神経)が入っています。それらは枝分かれし(末梢神経)、各内臓器官や運動器に繋がります。
造血とも関係の深い場所でもあります。
そこが変形してしまうのですから、個体に何かしらの異常を来たす可能性は大いにあります。
病気と背骨の関係
背骨の曲がりがある個体は、やはり弱り易いです。
今年1月に死んだ緋メダカも、酷く背骨の曲がった個体でした。尤も、このメダカの場合は近親交配の成れの果てであり、他の遺伝的疾患もありそうな個体でしたが……。
今回の病気メダカに関しても、同じ水槽のメダカたちがピンピンとして元気一杯なのに、何故病気になってしまったのかが不思議でした。
しかし、背曲がりに気付いたことで納得がいきました。
それが原因とは言い切りませんが、一因ではあるだろうと思えるからです。
遺伝をさせない
背骨が曲がる原因はいくつかあるでしょうが、遺伝的なものが原因であった場合、その子孫に影響が出ることが懸念されます。
より良い個体を残していきたいのなら、奇形の個体は間引き、繁殖をさせないようにする必要があります。
元気になったので元の水槽に戻そうと思っていましたが、ちょっと難しいですね……。
おわりに
まだまだ観察眼が足りませんね!
所謂プロ(達人)の方々は、選別眼厳しく、良質の個体しか飼育&繁殖していません。
里山は稚魚の間引きをしていません。よって今回のようなメダカも、水槽の中で普通に暮らしています。
稚魚の選別くらい出来なくては、「達人を目指している」とは言えませんよね。
来季は里山も選別眼を養い、良い個体のみを残していきます。脱・初心者!