メダカの看病に勤しむ里山です。
表題まま、今日はアリの話です。
ちょうど今ぐらいの季節になると、メダカも植物たちも冬前の本格的なメンテを開始します。今より気温が下がると、メダカも植物も活性を下げ、冬に備え出すからです。
晴天の休日を利用し、黙々と植物のメンテ。
そこで里山は出会ったのです。件のアリに……!
見たことの無いアリ
そのアリを発見したのは、多肉植物の鉢上げの時でした。
鉢の中身を空けようとひっくり返したところ、底の穴から蠢く黄金の物体が見えました。見えている部分の大きさは2~3ミリくらい。脇に細い6本の足が見え、ウニュウニュと動く黄金の物体が、昆虫の腹部であることがわかりました。
――コレ、やばいやつちゃう?!
パッと頭に思い浮かんだ昆虫は3種。
ひとつはゴキブリの類。形も色も全然違うけど、集合住宅のベランダ、特に腐葉土などには湧き易い傾向があります。
ひとつはシロアリ。シロアリはゴキブリの仲間ですし、植物遺体を食べることから植物の近くにいても違和感がありません。
そしてもうひとつ。
「噛まれると痛い外来種のアリじゃない?」
3つ浮かんだ内、外来種のアリと判断した里山は、すぐにピンセットを取りに室内へと戻りました。
その場で処分した
外来種と言うと、一番最初に何を思いますか?里山の頭には「危険」の文字しかありませんでした。
発見した3匹のアリの正体は依然として不明でしたが、危険な外来種だった場合放置しておけません。その場で殺処分をしました。
処分した遺体は何かあった時のために袋に入れて保存。写真を撮影し、何アリであったのかを調べることとしました。
資料探しに苦労したアリ
外来種のアリで注意が促されているものは、ヒアリとアルゼンチンアリしか知りません。とりあえず、この2種に絞ってweb検索をしました。
が、しかし。
幾つか記事を見たのですが、いまいちよくわからず。
資料に写真が無いものは論外でした。また、写真が載っていても標本(=死体)を載せているものは、あまり参考になりませんでした。生体と死体とでは印象が異なるからです。
PCの前に座ること30分。件のアリがヒアリやアルゼンチンアリではないことがわかりました。行軍もしていないし、大きさも色も違うし、書かれていた特徴がひとつも一致しなかったのです。
――じゃあ、このアリは何アリ?
FBに載せて「わかる人いますか?」と問うたところ、彼の人が答えてくれました。猫飯店長の池谷さんです。
店長はメダカ以外の生物にも無茶苦茶詳しい!!根っからの生物好きなのです。
「詳しくはわからないけど、ヒメアリじゃないかな?」
その回答に、里山はヒメアリを調べることとしました。
アリの正体、それは……!
結果から言うとヒメアリではありませんでした。ヒメアリを調べる段階で出て来た別のアリ、「キイロシリアゲアリ」だったのです。(→参考:ありんこ日記)
秋はキイロシリアゲアリの結婚シーズン。夜間の電灯の明かりにもブンブンと集まって来ます。思えばここ数日、明かりに集まって来る羽アリが酷くて、夕方からは居間の窓を閉めっ放しにしていました。
鉢に潜んでいた大きめの3匹のアリは、羽を落としたメス(新女王)だったのです。ろくに土も無いベランダに着地した結果、小さな鉢の下に身を潜めていたのでしょう。
――うわぁ……。無駄に殺しちゃったよ。
無知ゆえに起こった出来事でした。無害のアリを殺してしまったことを、とても後悔しました。
外来種と共に駆除される在来種
今回の事件の最も根本にある感情、それは「恐怖」でした。見たことも無い生物への恐怖心から、先に攻撃を加えてしまったのです。
防衛行動とも言えます。
ですが、この防衛行動。時にあまり良くない方向に走ります。外来種を恐れるあまり、在来種までをも駆逐してしまうのです。
殺虫剤のことは詳しく知りませんが、特定の生物だけを殺せる薬剤は、そう多くは無いと思います。外来種駆除のために撒いた薬剤が、在来種を殺している可能性は無きにしも非ず。
むやみやたらに恐れるのでは無く、相手を知る努力が必要なのかも知れません。
おわりに
――外来種の心配しているけれど、果たして自分は在来種を幾つ知っているのか?
そう思いました。
自分を取り巻いている環境そのものに、全然目を向けていなかったんだなと。以前、外来種のカメの捕獲に参加しましたが、結局はこのカメ問題も、在来種の生態をよく知らないことに起因するのです。
一度に沢山は覚えられないけれど、少しずつ在来種への理解を深めて行こうと思います。
おまけ
この記事を作成していた時、カメムシを発見しました。里山の家のカメムシ出現率は昨年に続き今年も異常です。
カメムシはぶっちゃけ無害な生物よ。
――だが、しかし。
問題は、こいつらが里山の縄張りに侵入していること!何で網戸の外じゃなく、いつも内側におるんじゃ!!
侵入者には問答無用です。
まぁ虫からしたら、ヒトが自分たちの領域に踏み込んで来ている以外の何者でも無いのでしょうが……。