ミジンコの世界に引き込まれている里山です。
本日、NHKのディレクターさんが里山宅へと来てくれました。
「所さん!大変ですよ」という毎週木曜午後8時15分開始の番組で、ミジンコをテーマにした放送回を予定しているそうです。(放送日未定)
ミジンコの件で話を伺いたいとのことで、9月後半あたりからメールのやり取りを開始。今日の運びとなりました。
まさかまさかの来客です。メダカ飼育を始めてから、いろいろと世界が変わりつつあるような。
さてさて、表題の「ミジンコが大変ですよ!」ですが、何がどう大変なのでしょうか?
大変なことになってるミジンコ
Daphnia pulex 画像はウィキペディアより
一口にミジンコと言っても様々な種類がいます。番組の主軸になるミジンコは「ダフニア・ピュレックス」です。
ダフニア・ピュレックスとは
ミジンコの正式な学名をダフニア・ピュレックス(Daphnia pulex)と言います。ミジンコ科ミジンコ属(Daphnia)のミジンコ種の名前です。
ややこしいのですが、「ミジンコ」というのはダフニア・ピュレックスの和名なのです。
ミジンコ属に属するものを総称しダフニアと呼んでいますが、種(属から更に細分化されたもの)ごとに異なる名称が付きます。(ダフニア・××と、それぞれに名が有る)
生物には階級がある
生物の分類には階級が用いられます。界、目、網、科、属などがそれにあたります。
「ミジンコ」という呼び名で一括りにされている生物は、実は同じグループにはいません。大きな括りでは一緒であっても、階級が小さくなるにつれ分かれていくのです。
タマミジンコやケンミジンコなどは「ミジンコ」の名称で呼ばれても、それぞれに属しているグループが異なります。
参考ページへはコチラから→
メスのみで卵を残す種
ミジンコは通常では単為生殖を行います。メスがメスを産み、増えていきます。
しかし気温の低下や水質悪化などの危機的な状況に陥ると、オスが現れ、交尾により耐久卵(休眠卵)を残します。
が、しかし!ダフニア・ピュレックスに関しては違うのです!!
クローンの連鎖
オスが生まれるには生まれるのですが、交尾をしても耐久卵を作りません。
卵はメスが単体で作ります。
生殖により遺伝子が交わることがありませんから、引き継がれるのは母体となったメスの遺伝子のみ。遺伝子の多様化はありません。
つまり、何処まで行ってもメスのクローンが増え続けるだけなのです。
クローンとは、一種の劣化コピーのようなものです。それでも最初は上手くコピー出来るのですが、次第に何処かでエラーが発生するようになります。
長く続けば続く程、そのリスクは高まります。
ダフニア・ピュレックスは外来種
日本に生息するダフニア・ピュレックスは、実はアメリカ大陸から渡って来た外来種です。
彼女らは数千年前に日本へとやって来ました。となると、かなり長い期間を有性生殖を行わず、クローンによる増殖のみで生き抜いていたことになりますよね?
長い期間有性生殖を行わないと、その種は滅んでしまうそうです。
このままの状態が続けば、何れ彼女たちは日本から姿を消してしまうことでしょう。ダフニア・ピュレックスを取り巻く生態系のことも懸念されます。
まさに「今、ミジンコが大変!」なのです。
尚、アメリカ大陸に住むダフニア・ピュレックスは有性生殖を行うそうです。
日本にやって来た彼女たちは、何故メスだけで増え続けることになったのでしょうか?実に不思議ですよね。
占部教授の研究結果
ダフニア・ピュレックスに関しては、東北大学の占部教授が専門的に研究されています。(wikiのミジンコのページにも記載があります。)
・日本に生息しているダフニア・ピュレックスは外来種である
・雌雄による有性生殖を行わない
・4タイプの遺伝子型しか持っていない
これらのことを明らかにしたのが占部教授です。
ざっくりと書きましたが、以上はNHKのディレクターさんから聞いたお話にwebからの情報をプラスしてまとめたものです。
不思議なミジンコワールドに引き込まれそうですよね!
占部教授の研究結果はwebで閲覧可能です。興味がある方は是非どうぞ。
テレビ放送前に予習をしておくと、番組を見た時の学びが深くなると思います。
初!ミジンコ体験
せっかくディレクターさんに来て頂いたので、実際に里山がやっているミジンコ作業を体験して頂きました。
メダカのエサやり
ボトル内のミジンコを網で濾し、別の容器に移したものをメダカに与えて貰いました。
いつもは網で濾したものを直接入れているのですが、今日はスポイトで与える方式に。昔里山がやっていた方法です。ミジンコだけではなく、メダカとも触れ合って貰いました。
ボトル作り
エサ用にボトルを空けた分、新しいボトルを作り足さねばなりません。この作業も体験して貰いました。
やることは非常に簡単。洗ったボトルに汲み置いた水を入れ、エサとなるイーストを入れ、種ミジンコを移すだけです。
この時、ちょっとだけ難しいのがエサの加減です。多過ぎると増殖率が悪い上に、水質の悪化も早まります。
アクエ〇アスよりも薄い色をイメージしてイースト入り飼育水を作り、種ミジンコを入れて貰いました。
2時間程会話をして
最初は「きちんとお話出来るかな?」と心配だったのですが、気付いたら2時間近くが過ぎていました。
今まで知らなかったミジンコ情報も得られ、とても有意義な時間を過ごすことが出来ました。
Nディレクター、忙しい中わざわざ東京からお越し頂き、本当に有り難うございました!
おわりに
罹っといて良かったね、ミジンコボトル症候群。(笑)
メダカとの出会いが無ければミジンコと出会うことも無かったし、当然ブログも書いていないので、今回の出来事も発生しなかったわけです。
何がどこでどう繋がるかわからないものですね。
「所さん!大変ですよ」の撮影が無事終わり、放映日が確定しましたら、ブログにて通知したいと思います。
コメント
おめでとう!
何事も能動的な行動で新たな展開が開けますよね!
放送が今から楽しみです!
ジークさんへ
コメント有り難うございます!
自分のメダカやミジンコに対する思いを語っただけで、コレと言って何もしてないのですが、不思議な展開に。(汗)
それにしても生物の世界って楽しいです!今回もこの件があったからこそ、ミジンコに対して深く学べました。
常々私はメダカを「自然科学の大先生」と思っていますが、本当に先生の授業は最高ですね。楽しく無理なく学べるように、ちゃんとカリキュラムが組まれているのです。ミジンコの件に関しても、今の私だから対応出来ることなのであって、一昔前の私ならサッパリですからね。
放送確定したら日時をお知らせしますね。
また遊びに来て下さい!
最近ここで勉強してミジンコ育ててます。
いまのところうまくいかないですがいろいろ
試してみてます。餓死が一番怖いと言われて
餌やりをしてるんですが、なんか最初の餌やり
でミスってる気も。テレビ日にちわかったら
教えてください。楽しみにしてます。
hidewonさんへ
コメント有り難うございます!
ミジンコ飼育に関しては、他ブロガーさんのブログはもちろん、専門で取り扱っている業者さんのHPも参考にして下さいね。ここにある記事は私が実際やってみたことの記録であって、「正解」ではありませんから。参考になるといいな~と思って書いてはいますが。
>餓死が一番怖い
飼育当初いろいろ調べて、私も「え?ミジンコって餓死するの?!」とエサやりにオロオロしていました。そして、「餓死の恐れ」からエサをやり過ぎていました。結果、水質悪化を招くことに。
水質悪化からの全滅の方が怖いということを学習した今は、様子を見ながら少量ずつ与えていく方法を取っています。
>テレビの日にち
放送予定日は一応聞いていますが、少し先です。また日が近くなったらお知らせします。
どうぞミジンコ生活を楽しんで下さい!