生まれたメダカを最後まで飼えますか?無計画な繁殖はNG!自然の河川に絶対にメダカを捨てないで。

カメ解剖の余韻に浸る里山です。

例の元メダカ嫌いの上司が言いました。

「メダカが100匹くらい生まれたんだけど、アレどうするの?」

いやいや、どうするって飼えよ。メダカの寿命が尽きるまで。

メダカの管理に忙しい里山です。 昨日、珍しい人からのショートメールが届きました。会社の上司です。仕事のことで何かあった...

思ったよりも沢山の稚魚が孵化したのか、はたまた単なる話ネタか。上司の一言に、思わず「コイツ大丈夫か?」と思ってしまいました。

誰かに押し売りする云々と言いつつ、彼は事務所へと消えて行ったのですが……。

夏の風物詩というか、この時期はどうもメダカ旋風が吹き荒れます。

お盆もせっせとメダカの世話に励む里山です。 種族が全然違いますが、メダカとウリ類(キュウリ、メロン、スイカ、ウリなど)...

きちんと飼育出来る数分だけ増やさないと、後々困るのは自分自身です。

増やすのは勝手ですが、そのメダカ、最後まで面倒見切れますか?

増え過ぎるメダカ

夏の間中毎日のように卵を産むメダカ。一夏で100や200増えても全くおかしくありません。寧ろ、100程度で済んでいるのなら少ない方です。

それぐらいにメダカは増えます。

孵化・育成もメダカ飼育の楽しみ。

ですが、増やし過ぎには注意して下さい。後で自分が困るだけです。

増え過ぎるとどうなる?

先ず、管理する場所に困ることになります。卵の内は小さなプラケースで管理出来ても、孵化・成長すれば容器を移さねばなりません。

大きなトロ舟や、いくつもの容器を置ける十分な場所があれば別ですが、そうでなかった場合、メダカをどうにかしなくてはいけなくなってしまいます。

数が増えれば、それだけ管理にかける時間も取られます。

自分の手で管理出来るのはどれくらいの数かきちんと予測をし、繁殖をコントロールすることが大切です。

メダカ飼育者の責任

メダカが増え過ぎて困るという話を聞く度、「何で?」と里山は思います。きちんと計画的に繁殖させれば、そんな問題にぶち当たることはないからです。

予想に反し沢山孵化したとしても、早い段階で間引くなりすれば良いだけの話なのです。

そして、増えたメダカをどうするも何も、「ペットは最後まで飼う」こと。

数匹が何百匹になろうが、最後まで面倒を見ることです。ポイ捨ては言語道断です。

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これも事の発端は、誰かがペットを遺棄したことによります。

小さく弱いメダカと環境変化に強い外来種とでは、環境に与える影響は違いますが、根本は同じこと。飼育生物の遺棄は、もともとの生態系を崩してしまうことに繋がります。

ヒラタクワガタとメダカ

――改良メダカを河川に放つと野生のメダカと交雑し、遺伝子が混じる

そんな話を聞いたことはありませんか?

もともと改良メダカの始祖は野生の黒メダカです。ですが、種として作り上げて行く段階で、既に2つは別の物になってしまっています。

交雑の結果、生まれてくるのは雑種です。これを繰り返せば、やがて生粋の黒メダカはいなくなってしまうことでしょう。

似た関係でヒラタクワガタがいます。

島国である日本には、日本固有の遺伝型を持つヒラタクワガタがいます。

――そこに外国産のヒラタクワガタは入って来てしまうと?

簡単に交雑してしまいます。つまり、ヒラタクワガタの遺伝的な地域固有性が失われてしまう可能性があるのです。

これは、もともと日本に住んでいたヒラタクワガタは見られなくなり、外来種と混じった雑種ばかりが増えてしまうということ。

ヒラタクワガタの遺伝的固有性は520万年をかけて作られたそうです。それがヒトの身勝手で一瞬で消えてしまうかも知れないのです。

とても悲しいことだと思いませんか?

参考記事:「とって食べる」外来種シンポジウム

メダカは弱い存在だが

仮に野外の湖沼や河川にメダカを放ったとしても、ほとんどが他の生物のエサになる、或いは、環境に適応出来ずに死んでしまうことと思います。

が、しかし。100%死ぬわけではありません。

生き残った数匹が野生のメダカと繁殖をする、生まれたメダカが更に繁殖行動を繰り返す……。これが続けば、今ある野生のメダカの遺伝的固有性は失われていくことでしょう。

イシガメ保護の例

先日お世話になった和亀保護の会さん(→HPはコチラから)では、イシガメの孵化・放流をされているそうです。

ここにも「遺伝的固有」を守るためのルールがあります。

和亀保護の会の主な活動フィールドは大阪の大正川です。そこで捕まえたカメ同士でしか繁殖をさせず、また戻す場合も大正川にしか戻さないようにしているのです。

ペット業者による遺棄

厳格なルールの上で行っていた放流活動も、今は一時的にストップしているとのこと。

理由は、ペット業者が大正川にイシガメを遺棄したためです。

何処から運ばれて来たかもわからないイシガメと大正川のイシガメが混じるのを懸念し、今は放流を見合わせているとのことでした。

無責任なペットの遺棄がどれだけ迷惑な行為か、こういったことからもわかりますね。

おわりに

――メダカを河川に放って、どれだけ生活に影響があるのか?

――外来生物が増えることで、どれだけ生活に影響があるのか?

メダカに関しては、実生活に与える影響はほぼありません。外来種に関しても、病原菌を媒介する、或いはヒトに危害を加えるような種でなければ、ほぼ影響は無いでしょう。

税率や法令などの変更は、すぐに実生活に影響が出ます。だから多くの人が関心を持ちます。影響のほぼ無いに等しい事柄であれば、誰も関心を抱きません。

ですが、本当にソレで良いのでしょうか?

どうぞ皆さんはメダカを捨てないで下さいね。

参考記事:解説委員会「外来生物とわたしたちの生活」