お盆も平常運転な里山です。(暑いから墓参りを遠慮したいんだが……。)
超過密状態で針子期間を過ごした白幹之たちですが、全く大きくなりません。
生まれたのが5月上旬で、既に3ヶ月近くを経過しています。多分、これからも大きくなることはないでしょう。
具体的にどれくらいの大きさかと言うと、平均して1センチをやや超える程度です。成魚メダカの平均は約3センチですから、かなり小さい方ではないでしょうか。
白幹之たちの今を追ってみます。
過密のリスク
白幹之の稚魚たちは、成魚のいなくなった水槽で自然に発生しました。あちこちに産み付けられていた卵が孵化したのです。メダカは毎日のように卵を産みますから、その数は半端ではありませんでした。
1つの水槽に何匹居るのか、数え切れないくらいにウジャウジャと泳いでいました。「超」のつく過密状態です。
この過密状態、決して良いものではありません。
泳げない
個体1匹に割り振られる自由空間が著しく制限されます。当然ながら水槽内をスイスイと泳ぎ回ることは出来ません。
他のメダカたちだけではなく、水草や流木も泳ぎを妨げます。
運動不足はもちろんのこと、ストレスも相当にかかったのでは?と思います。
エサ不足
個体数が多過ぎて満遍なくエサが行き届きません。強い個体はエサをガツガツと食べ、弱い個体は残りものをちょろっと食べるといった環境が出来てしまいます。
結果、成長具合に大きな差が出てしまいます。
水質悪化
個体数が多ければ、それだけ水が汚され易くなります。
酸素不足
必要な酸素量が増えるので、エアレーションなどが必要になることも。
大小のメダカ
超過密状態で過ごし続けた白幹之の稚魚たち。
前述の通り、3ヶ月を経過した現在も総じて小個体ばかりです。中には大きいものもいますが、それとて2センチ程度であり、平均値からはズレてしまいます。
そのまま成魚へ
大小の差は稚魚の時から既に存在していました。また水槽を2つにしたことでも差が出来ました。
成長段階での差が、まま残っています。
小さく育った群は新環境で幾らか大きくなったのですが、先に大きくなった群を追い越すような傾向は見えません。初期環境が後々まで響いていることが伺えます。
やはり初期環境は大事ですね。
おわりに
いくら良い卵を入手しても、今回のようなズボラ管理では良いメダカに育ちません。
発生初期や生まれてすぐの期間は非常に重要です。今回は「ダメな事例」を紹介させて頂きました。
コメント
こんばんは。
うちに迎えたメダカ達も卵を生んで、7月中旬頃に孵化した子達はグングンと大きくなり、既に親水槽に戻しました。
7月下旬頃に孵化した子達はイマイチ大きくなりません。
ちょうど、その頃からミジンコの増え方がイマイチになってきて(針子はミジンコバケツで大きくしていたので)その影響かな?と考えていたのですが。
前々回の記事を読んで、またこれも思い当たり…。
バケツの置き場所を少し陰る所に移したのも7月下旬頃。
慌てて元の場所に戻しました(笑)
以前に繁殖させた時は第二陣は取らなかったので、この違いに驚いています。
人間から見たら些細な状況や時期の違いが、小さなメダカ達には大違いなんですね。
以前から“孵化させるのは世話出来る分だけ!”と決めていますが、今回の里山さんのケースの様な不測の過密もあり得ますよね。
いつも勉強させて頂いています!m(__)m
いおりさんへ
コメント有難うございます。
ミジンコ様の増え方に関しては、日照等ではなく水温(高温に弱い)とエサのバランスが変化したのだと思いますよ。増え易い比率のようなものが存在しているようで、そこからズレると繁殖速度が落ちます。気が向いたら研究してみて下さい。
メダカを観察していると、自分を含め生物が宇宙の一部であると強く感ずることがあります。季節の変動=星のめぐりですからね。
>不測の過密
繁殖期の水槽リセットは時間が重要とつくづく思いました。「次の休みにでもやろう」と数日放置しておくだけで、空だった水槽がチビっ子パラダイスになってしまうのです。卵の内なら未だしも、チビっ子の姿を見てしまった後では処分に困ってしまいます。速さが重要、うん。