再びミジンコ愛に目覚めた里山です。
エサやりの時間は、なるべくメダカたちの観察をするように心がけています。
今日もエサをやりながらメダカたちの状態をチェック。お腹に卵をぶら下げたメダカを発見しては、記念に写真をパシャリとやっていました。
そんな時のことです。
三色ラメの水槽で、動きのおかしなメダカを見つけました。どうおかしいかと言うと、クネクネと身を捩るような挙動を見せ、他のメダカたちのようにピュピュッとした機敏な動きをしないのです。
指を近付けてみると、簡単に頭を小突くことが出来ました。逃げないんです。
完全な弱りメダカでした。
――今回は何が原因だろう?
半透明の容器にメダカを掬ってみました。改めてじっくり観察してみれば???
尾ヒレが無い!
パッと見で最初に目に飛び込んで来た異常は、皮膚の内出血でした。皮膚の一部が赤くなり、他とは様子が違っていたのです。
頭に思い浮かんだのはエロモナスです。
しかし、何時もと様子が違いました。
先ず「一番ココが違うな!」と感じた点は、糞です。
エロモナスに罹ったメダカは、白い糸状の糞をしていることが常でした。ところが、このメダカは形状の良い糞をしていたのです。
――何か違うなぁ……。こんだけうんこ綺麗なのに、何の病気だろう?
そう思い、メダカを横から見た時のこと。思わずハッとしました。
「ヒレが無い!!」
破れた傘のように
メダカの尾ヒレは、まるで破れた傘のようになっていました。軟条(骨にあたる部分)の一部だけを残し、膜がボロボロになっていたのです。先端は完全に消失していました。
――コレが尾ぐされ病というものかな?
少し調べてみることにしました。
尾ぐされ病とは
フレキシバクター・カラムナリス菌の感染により起こる病気なので、カラムナリス症とも言います。ヒレが腐るのは症状の1つであり、エラに出ること(鰓ぐされ病)も、口吻に出ること(口ぐされ病)もあります。
カラムナリス菌とは
グラム陰性の細菌であり、1922年に米国で発見されました。1953年に魚の筋肉に侵入することが確認されています。
以下のことがカラムナリス菌の主な特徴です。
・水温15~35度で良く発育し、中でも最適温度は27~28度
・pH6.5~8.5で存在し、最適はPH7.5
・塩水0.5%ではよく発育し、2%では発育しない
数字だけ見ると、メダカにとっての最適環境は、カラムナリス菌にとっても最適環境のように見えます。
罹患メダカの出た水槽は要注意ですね。(→参考:Aqualium Clinic カラムナリス症のページ)
治療法
グリーンFゴールド、エルバージュエースなどによる薬浴がメジャーです。
硬度の低い水では活動の弱る菌なので、意図的にpHを下げるという方法もあります。ですが、魚の弱り具合や種類によっては、この方法は使えません。
薬浴が無難ですね。
塩浴は効果ナシ?
メダカの塩浴に使う塩分濃度では、カラムナリス菌を殺すことは出来ません。塩浴をさせる時は、あくまで補助的に使います。
薬浴するにしても、メダカが弱り切っていると薬浴のせいで死にます。薬の使用は、メダカ自身の体力がある程度残っていないと出来ないのです。
経過観察しつつ、体力の回復を図るという意味で塩浴を用いるのが良いです。
元気?なメダカ
一通り観察を終えた病気メダカは、塩浴で経過観察となりました。
手元にすぐ使える薬が無かったのが一番の理由ですが、やはり糞の状態が気にかかっていて、「塩だけで行けるんじゃないかなぁ~」と思ったのです。
内臓がしっかりしているのであれば、体力が回復する(抵抗力が上がる)のも早かろうと。
案の定、塩浴させたら元気になって来ました。隔離した時のようなフラフラした泳ぎではなく、しっかりとした泳ぎを見せています。
おわりに
エロモナス、水カビ病と来て、今度は尾ぐされ病です。メダカの飼育数が増えるにつれ、目にする病気も増えて来ました。
病気にならない環境作りは、なかなか難しいですね。
ともあれ、今回はメダカ先生に尾ぐされ病についての講義をして頂きました。感謝!
しばらくは自宅で共同生活です。