メダカ大好き里山です。
近所のホームセンターのメダカちゃんたちは、どこも似たような品揃えです。黒、緋、白、青、青ヒカリ、楊貴妃くらい。少し良いところで幹之がいます。
値段は緋<黒<白<青<青ヒカリ<楊貴妃と高くなっていきます。私のよく行く店では緋メダカ1匹25円、楊貴妃1匹380円でした。
随分と差がありますよね。
メダカを1匹だけ購入することは、まず無いと思います。だいたい10匹前後をまとめ買いすると思うのですが、一番高額なものを買うとなると小銭じゃ買えません。
――財布に優しく、それでいて楽しめる組み合わせはないか?
はい、あります。もし、よく見る黒、緋、青、白から買うとしたら、私のオススメは黒と白です。
メダカの色素胞を知ろう
まずは色素胞を知りましょう。色素胞とは表皮に存在する細胞です。この種類と分布、大きさや反応などにより体色に特徴が出てきます。
メダカの持つ色素胞は黒色素胞、黄色素胞、白色素胞、虹色素胞の4つです。
これが組み合わさることで体色に変化が生まれます。各色素胞はそれぞれが名前通りの色を持っていますが、虹色素胞だけは色がありません。不透明で光を反射するため、キラキラと輝いて見えます。
色素胞を踏まえた上で、ホームセンターで入手可能な黒、緋、青、白の4メダカを見てみましょう。(1匹の値段は近所の店の平均で、おおよその目安です。)
黒メダカ(¥50)
いわゆる普通のメダカ。黒、黄、白、虹全ての色素を持っており、黒というよりは黒褐色をしている。
緋メダカ(¥25)
よく見かけるメダカ。黒い色素を持っていないため、体色が赤みを帯びた黄色(オレンジっぽい)に見える。
青メダカ(¥180)
緋メダカの逆で黄色い色素が無い、黒い色素と白い色素を持つメダカ。光の加減で青味を帯びて見えるので青と表される。特別青々しているわけではない。
白メダカ(¥130)
色素胞そのものはあるが、色がついていないので白く見えるメダカ。
メダカの体色は遺伝的に支配されている
メダカの体色は「メンデルの法則」に従って遺伝します。
9:3:3:1という数字を学生時代に覚えませんでしたか?私が黒と白のメダカを勧めるのは、この9:3:3:1があるからです。
ここで前述の4メダカの体色の遺伝子型を見ていきます。
黒メダカ(BBRR、他)
BbRrなど、全ての色素において優性の遺伝子を持つ。
緋メダカ(bbRR、bbRr)
黒の劣性遺伝子と黄色の優性遺伝子を持つ。
青メダカ(BBrr、Bbrr)
黒の優性遺伝子と黄色の劣性遺伝子を持つ。
白メダカ(bbrr)
黒と黄色の劣性遺伝子を持つ。
優性遺伝と劣性遺伝
優性と劣性が存在する場合、優性の形質が面に現れます。
もし黒メダカと白メダカを交配させた場合、遺伝子型は……
BBRR × bbrr = BbRr
Bはbより優性で、Rはrよりも優性です。
メダカの体色はメンデルの法則に従うので、次世代(F1)は黒メダカの形質の方を受け継ぐことになります。つまり、生まれてくる子の体色は、全て黒ということです。
F2からがお楽しみ
黒と白をかけたら全部黒になる。では、生まれた黒と黒を交配させたら何が生まれるのか?これこそ、冒頭で私が黒と白をオススメした理由です。
BbRr × BbRr = ???
黒:緋:青:白が9:3:3:1の割合で出現します。黒から黒じゃない色が生まれるんですね!
「黒と白かけたら、全部黒になっちゃった……。」から一転、「黒と黒から青も緋も白も出た!!」になります。ワクワクの瞬間です。
中には色素の濃い(薄い)子、ブチ入り、キラキラな子など、特殊な要素を持って生まれてくる場合もあります。そういった珍しい子を確保し、何度か交配させることで自分だけのオリジナルメダカを作ることも可能です。(メダカにはまる人はだいたいやってます。)
高額メダカに手を出す前に
せっかく高いメダカを購入しても、親と同じ色(体型)の子どもが出来るとは限りません。
まずは身近なメダカで遺伝の仕組みを勉強し、交配(孵化)に慣れることが大切じゃないかと思います。
別に珍しい色をしていなくてもメダカはメダカ。可愛いですよ。
おわりに
黒メダカと白メダカの交配からは青も緋も生まれてきます。お得な感じがしませんか?遺伝子型で見ていくと、青×緋も楽しみな組み合わせですよね。
手間を考えれば買う方が早いですが、「何が出るかな?」のワクワク感はありません。どうせ買う(飼う)ならワクワクと楽しめる方が良いです。
やたら高いメダカを買ってダメにするより、入手し易いメダカで飼育に慣れるのが一番かな?と思います。