チビ助たちの成長振りに歓喜する里山です。
前回、前々回と植物(水草)と光について書きました。今回はメダカと光について書いていきます。
――植物と同様、メダカ飼育にも適した光があるのでは?
そんな疑問を抱いた里山は、メダカ研究55年の賢者・岩松先生の「メダカ学全書」を開きました。webに氾濫する情報より先に、専門家の研究結果を見ることが大事と思ったからです。
何より、メダカの成長が光に関係していることを教えてくれたのが岩松先生です。
というわけで、早速行ってみましょう!
長日型の魚
メダカの成長・生殖には一定以上の光刺激の強さ、長さを必要とします。春夏(=日が長くなる時期)に活動が盛んになることからわかるように、メダカは長日型の魚です。
産卵の周期は光により支配されています。
人為的に光周期を変えることで、産卵の周期を変えることが可能です。
脳下垂体とホルモン
脳下垂体とは脊椎動物に存在する内分泌器官のひとつです。内分泌器官からは各種のホルモンが分泌されます。
メダカの成長・繁殖を促すゴナドトロピンは、脳下垂体から分泌されます。
その脳下垂体ですが、常に活発に活動しているかと言うと、そうではないんですね。光の刺激量により、活動が活発になったり低下したりしています。
日照時間と脳下垂体の活動
メダカの脳下垂体は、11.5時間以内の光照射では活動が低下します。産卵・成長を促すのであれば、それ以上の光照射が必要となります。
産卵させるのに13時間以上の日照が必要ということは、このブログでも何度か触れています。
脳下垂体と光とは、深い関係があるのです。
ただ、光が直接脳下垂体に影響を及ぼしているわけではありません。松果体から分泌されるメラトニンを通して影響を及ぼしています。
光の強さ
さて、室内飼育で問題となるのが「光の強」さです。
13時間以上の光照射が要ることがわかっても、光の強さが基準値に達していなければ、ホルモンの分泌は促進されません。植物の光合成と、必要な光量の関係とよく似ているかと思います。
luxとメダカ
lux(ルクス)とは照度の単位です。日本の計量単位令では「1平方メートルの面が1ルーメンの光束で照らされるときの照度」と定義されています。
何のこっちゃよくわかりませんね。(笑)
ここではluxの値が大きいと、それだけ(明るく)眩しくなると考えて頂いて結構です。
5lux以下の光の場合、メダカの生殖巣の発達に効果が見られないとのことです。10lux以上になると効果が現れます。
波長と明るさ
ヒトの目に明るく見える光が、植物の光合成に適しているわけではないと、前回記事で書きました。
では、メダカの場合はどうなのでしょうか?
こちらもきちんと記述がありました。波長の違いがメダカの成熟に効果があるか調べたところ……
・波長500nm以下の光では効果が見られない
・波長580~670nmの可視光線には効果が見られる
ということが認められたそうです。
可視光線とは、ヒトの目に見える光のことです。ヒトが「明るいな」と感ずる光であれば、メダカは成長してくれるようですね。
成長してるよ!
里山の育てているチビ助たちは、LEDの光でグングン成長しています。今では遅がけに孵化した稚魚よりも、少し大きいくらいになりました。
水温が常時26℃に保たれていること、栄養価の高いエサを与えているというのもありますが、LEDの光でも問題なく育っています。
おわりに
メダカの成長に関しては、光の波長よりも明るさと時間が大切なようです。
だからと言って、ずーっと光をあてているのではなく、暗くして休ませてあげることも大事です。
光害でどんな影響が出るかわかりませんからね。里山は明暗のリズムをきちんと作って、メダカを飼育しています。