メダカとビオラの「ここが似ている!」―数多くの品種が出回る一方で、消えて行く品種があることを知っていますか?

おっさんたちとの飲み会を楽しみにしている里山です。

ビオラの出荷が最盛期を迎えています。去年もそうだったのですが、その色の豊富さにびっくり。もともとのカラーバリエーションはそうでもなく、品種改良に改良を重ね、今のような状態に落ち着いたようですが。

まるで改良メダカのようですね。

ビオラを通して見えたメダカの世界について書いていきます。

突然現れる色

ビオラを育てていると、何%かの割合で元の品種とは異なった色の個体が現れます。原因は先祖返りであったり、変異であったりするのですが。

理由はともかく、一定の割合で変わった色の花が出るのです。

↓花の上部分の青紫が濃いのが通常。薄い紫に変化したものは規格外です。

メダカもビオラと似ていて、たまに色が異なる個体が出たり、特徴が際立っている個体が生まれて来ることがあります。

些細なことから始まる改良

例えば緋メダカ。数多く飼育していると、朱の濃く現れた個体や、逆に薄くてクリームっぽい個体などが出たりします。

頭の模様(口先までの色の伸び)も千差万別で、しっかりと色が伸びている個体もいれば、途中で途絶えてしまっている個体もいます。

数多くの中に数%だけ(偶然に?)出現した個体を選りすぐり、定着させたのが所謂品種改良です。

定着させることが大事

植物にはF1種子(1代に限り望んだ性質が現れる種。次世代を想定しておらず、種が採れない)というものがあり、ややこしいのでメダカに限定して話を進めます。

親の特徴が子の世代には現れないという場合、新品種とは言えません。特徴的な部分を残し、次世代に定着させることが大切です。

多くのブリーダーが大量に採卵・孵化を行い、より良い系統を残していくのも定着率を上げるためです。

流行と廃れ

売れるモノを売ることは商売の鉄則です。商いをするのであれば、その時に売れるものを売らなければなりません。

花もメダカも「売れる品種」の生産を多くしないと売上が伸びて行かないのです。

例えどんなに素敵な品種であったとしても、顧客のニーズに合っていないようでは困るのです。

当然、人気の無いものから生産量は減っていきます。

滅び行く……

過去に一世を風靡した品種であったとて、今現在の売れ筋でなければ生産者は生産量を落とします。

そのまま市場が回復しなければ、その品種は廃れていくことでしょう。

完全に市場から消え去ることはないと思いますが、入手が困難になります。その分、価格に上乗せされる場合もあるので、その種が欲しい顧客には残念な結果になってしまいます。

改良メダカの行き付く先は?

昨今のメダカブームに乗って、数多くの品種が生み出されました。ですが、その全てが「売れる商品」とは限りません。

メダカは単価が安い商品です。たった数匹売れただけでは採算が取れません。(1匹何万もする種は別ですが……)

流通させるのに十分な量のメダカを全品種揃えることは、個人のブリーダーには無理です。必然的に売れ筋に的を絞ったり、ブリーダーネームの付いたブランドメダカの飼育に力を入れることとなります。

今、当たり前のように見ている品種が、ある時から忽然と姿を消してしまうこともあるのです。

ビオラの売れ筋とメダカ

ビオラは一種の季節商材です。葉牡丹と一緒で秋冬に向けて生産が始まります。栽培面積は売れる色(品種)の生産量が一番多く、後はぼちぼちといった感じになります。

商売なので当然ですね。

さておき、「人気のある種」とはいかなものか、考えたことがありますか?

あくまで職場を見ていて気付いた傾向なのですが……

・奇抜なものではない(=ありふれたもの、定番)

・青系統では無く、赤黄系統の色

この2つが人気なようです。

流行に振り回されない

珍しい色の品種も生産しないわけではないのですが、やはり多いのは定番商品です。流行に左右されること無く、常にあるものの方がウケが良いようです。

見飽きないこと

青も赤も綺麗なのですが、何故か青系統の花は見飽きてしまいます。

時期的にも寒さを連想させる青系統より、やがて訪れる春を意識する赤や黄の系統が好まれるようです。

メダカにも大事なこと

上記はビオラについて述べたものですが、メダカにも類似する部分はあります。種が違うので色の系統はともかく、「見飽きない」というのが大切です。

錦鯉を思わせるような三色であったり、渋く落ち着いた色合いの品種、穏やかな感じのある楊貴妃に人気が集まるのもわかる気がします。

おわりに

――流行を追いかけて行った先に何があるのか?

メダカたちを見ながら、よくそんなことを考えます。その内にくるりと一周回って、「やっぱ普通のメダカが一番綺麗だ」となるかも知れませんね。実際綺麗ですし。

新種や流行を追求し続ける一方で、作出された古い系統も残していくことが大切なんじゃないかなと思います。