暑さでなかなか寝付けない里山です。
死に止まりを迎えたようで、変死するメダカを見なくなりました。
最後に死んだのは星河です。「おかしいな」と感じていた個体が、やはりと言った感じで死んでいたのが二日前。
死んでからそう時間が経っていなかったようで、とても綺麗な亡骸でした。
綺麗=新鮮な死亡メダカを発見した里山は、ちょっとソレを部分的に解剖してみることにしました。気になる病気があったからです。
その病気、吸虫症と言います。
《注意!》
今回の記事には、死メダカの写真が出て来ます。部分的に解体もしており、苦手な人は「うっ」となるやも知れません。
記事の特性上、写真を加工する等の処置はしてありません。閲覧は自己責任でお願い致します。(※内臓がびゃ~っというような、本格的な解剖写真はないです)
吸虫症とは
寄生虫が寄生することで発症する病気です。ここで言う吸虫症とは、ダクチロギルスやギロダクチルスにより魚に発症したものを指します。
症状
エラが腫れるのでエラ蓋が閉まらなくなったり、また、エラ蓋の動きも早くなったり遅くなったりという変化が見られます。
罹患した個体は元気無く水面近くを漂い、食欲も無くなって行きます。体表が白濁することもあります。
寄生先のエラにも、もちろん症状が現れます。
エラの状態
・粘液の異常分泌
・鰓弁の先端が癒着して、鰓腐れ病の初期と似たような症状になる
・大量の粘液の塊が付着し、エラ蓋が開いて見える
気になるエラの色
この症状を発症すると、エラの色にも変化が現れます。鮮紅色から暗赤色になるのです。
チャームさんに掲載されている写真(→該当ページへ)を見たところ、確かに暗い感じの赤色になっていますね。
虫は何処にいる?
原因となる病虫は、水中のいたる所に存在します。種類も多数います。
過密飼育で水質が悪化している時や、越冬明けで魚の体力が低下している時は注意が必要です。
ギロダクチルス
・体長は0.3~0.8mm
・胎生であり、親の中には親と同じ形をした子が見られることも
・子虫の中に子を宿している場合もあり、次から次へと増殖する
・秋から春の低水温時期に発症し易い
ダクチロギルス
・体長は0.8~2.0mm
・春から夏の高水温時に多く発生する
姿形はどちらの種もウジムシのような形をしており、ヒルのように伸縮します。寄生の判定には顕微鏡が必要です。(→参考:月間錦鯉、吸虫症のページへ)
メダカのエラを見る
実際に虫がいるかの判定は顕微鏡が無いと出来ませんが、エラの色を見ることは肉眼でも可能です。
今回は星河に献体になってもらい、吸虫症の可能性を探ってみました。
エラ蓋をはがす
ピンセットでメダカのエラ蓋を取り除き、エラの状態を観察してみました。
↑ほっそりと痩せているのがわかりますね。
全体的な観察を済ませてから、エラ蓋を取り除きました。
見てみてどうであったか
水面をフラフラ、呼吸が忙しなく食欲が無いといった症状は当てはまるものの、「このメダカは吸虫症だ!」と確証の持てるものはありませんでした。
エラの色には特に異常を感じなかったのです。粘膜のようなものも確認出来ませんでした。
おわりに
死に止まりを迎えはしたものの、コロコロとメダカが死んでいった現実は変わらず。一抹の不安が残ります。
今回の連続死の原因は何であったのか、未だによくわかっていません。
ただ、エロモナスにしても今回の吸虫症にしても、「水質の悪化」というものが共通して浮かび上がります。
じゃあ、何でプラナリアがいたんだろう?汚水は苦手らしいのだが……。
迷路!