小鳥を保護した後に思うこと―自然とヒトとの関わりを見つめる良い機会を頂きました。ありがとう!

小鳥も大好きな里山です。

先日、職場の敷地内でヒヨドリと思われる鳥を保護しました。飼い猫のオモチャにされ、動けなくなっていたためです。

野生の鳥を保護するなんて初めての体験。どうして良いのかわからず、オロオロしながら周囲のパートさんに尋ね回るハメに。最終的に事務員さんがwebで調べ、あれこれと世話を焼いてくれました。

野生動物の保護には様々なルールがあります。貴重な体験でしたので、書き残しておくことにします。

野生に近付くな

基本的に野生動物には近寄ってはダメです。ケガをしている、病気で弱っているなど、ヒトが「可哀想だ」「何とかしてやりたい」と思う場面でも、グッと堪えることが大切です。

時に対応せざる得ない状況に出くわすこともあるでしょうが、出来るだけ干渉しないようにします。

「冷たい」「残酷」といった感情や自責の念は捨てて下さい。野性とヒトを一緒くたにしてはいけません。

近付いてはいけない理由がある

主な理由は以下の3つです。

病原菌に感染する可能性がある

野生の動物の持つ菌は、時にヒトや家畜に甚大な被害を及ぼします。相手が何の保菌者であるかわからない以上、無闇に近付くのはNGです。素手で触るなんて言語道断!

どうしても近寄らざる得ない場合は手袋をし、必要最小限の接触に留めます。触れた後は洗浄・消毒まですることが望ましいです。

逆に弱らせてしまうことがある

ペットと同じような感覚で野生動物を見ないことです。彼らにとってヒトは外敵でしかありません。近付かれることは非常に大きなストレスとなります。

自然に介入しない

野生は野生、ヒトはヒトです。そっとしておくのが一番です。

弱った動物に出くわしたら

「近付くな」と言っても、通勤路や庭先に弱った小鳥や小動物が蹲っていたら、多くの人が手を出してしまうことと思います。

ですが、何の知識も無い人間に出来ることはそう多くありません。寧ろ「何も出来ない」と思って下さい。

身近な場所で弱った野生動物を見つけたら、専門家の指示を仰ぎましょう。

先ずは専門家に連絡を

各都道府県に窓口があります。(→獣医師広報板・行政の野生鳥獣保護窓口へ)

獣医師広報板のページには電話連絡先の他に専用HPへのリンクもありますから、そこで詳しい対処法を確認することが出来ます。(→参考pdf。愛知県版です。)

動物病院に持ち込まない!

動物病院は「全ての動物」を対象とした病院ではありません。各専門分野がありますし、野生動物の診察を断っている病院も多数あります。

何の連絡もせず、弱った野生動物を連れて行くのは非常識の極みです。

ケガの処置を要すると判断した場合は、病院に電話し対応出来るかどうかを確認します。OKであることが確認出来てから、初めて来院しましょう。この時、治療にかかる費用は全て自分持ちになることをお忘れなく!

ヒヨドリとの出会い、別れ

保護したヒヨドリは事務員さんが病院へ連れて行ってくれました。(どう対処すれば良いのかを事前に病院側に確認しています。)

診察の結果、外傷はありませんでしたが、右足が全く動きません。骨折ではなく、神経の方から来ているようだとのことでした。

病院側からは……

・抗生物質を与えて様子を見ること

・自身で羽ばたく意思を見せたら、すぐに外に出すこと

・ヒトの匂いを嫌うので、あまり近付かないこと

上記の注意点を聞き、経過観察をすることとなりました。ヒトが飼いきれる生物ではないから、飼おうとしてはダメとも言われたそうです。

生きる決意を感じた時

一晩様子を見ましたが、体力的には元気で問題がありません。右足は変わらず動きませんでしたが……。

ヒヨドリは箱の中を動き回り、外に出る意思を示しています。

思うことは多々ありましたが、病院側の指示通り、保護した場所へと返すこととなりました。

また飼い猫に襲われるといけないので、民家から離れた草むらに放すことに。隠れられる茂み、適度な木陰、近くにある木々他、一応は配慮したつもりです。

今生の別れです。

放した後のことはわかりません。

野生動物は飼えない

ヒトに懐かない以前に、野生動物の飼育に関しては厳格なルールが定められています。

一定期間の保護とペットとしての飼育は違います。

可愛いからと野鳥や小動物を捕まえ、自宅で飼育することは出来ません。種類によっては許可が出るようですが、原則的には飼えません。

おわりに

一方的な正義感や哀れみ、親切心だけでは、自然の動物と良好な関係を築くことは出来ません。人界と自然界には透明な壁が存在します。

今後、同じような場面に出くわした時、今回のようにでしゃばることは止めようと思いました。

何もしないことが「優しさ」なのかも知れません。