第四種近接遭遇―アブダクションされた青幹之メダカを追え!!

《第四種近接遭遇》

空飛ぶ円盤の搭乗員に誘拐されたり、インプラントを埋め込まれたりする、または空飛ぶ円盤の搭乗員を捕獲、拘束することを第四種近接遭遇と呼ぶ。

事件発生の知らせ

去る10月28日(日)に、我が里山ミステリー取材班に1本の連絡が入った。それにより、窓から見える秋晴れの空に、和やかな雰囲気を漂よわせていたデスク周囲は一変することとなる。

――村のオスメダカばかりが、突然さらわれてしまった!

メスメダカはそう告げると、怯えた様子でその時の状況をポツリポツリと語り出した。聞こえてきたのは、耳を疑いたくなるような話である。

「今すぐ向かいます!ちょっと待ってて下さい!!」

得体の知れぬ恐怖に一種の高揚感が沸き立つ。スタッフは無言で取材機材を揃えると、一直線に事件のあった幹之村へと向かった。

幹之村の怪異

幹之村は小さな村だ。僅かな滞在時間で村魚全員の顔を覚えてしまえる程の、極僅かな幹之メダカたちの集落なのである。

到着した取材班を出迎えてくれたのは、先程連絡をして来たと思われるメスのメダカだった。

メスに挨拶をする傍ら、村を見回してみる。成程、オスがさらわれたとの情報通り、村にはメスしか残っていなかった。

取材班は村の様子を写真に収めつつ、出迎えてくれたメスメダカに当時の様子を伺った。

迫り来る影、掬われる恐怖

以下は事件当事者である青幹之紀子さん(仮名)の証言である。

「その日は、朝から太陽が顔を見せる良いお天気でした。私たち夫婦は水辺で日向ぼっこをしていました。のんびりと漂いながら、夫と他愛も無い会話をしていたのです。

どれくらいの時間が経過したでしょうか。ふいに空が暗くなったんです。雲ひとつ無いお天気でしたから、おかしいな?と二匹で空を見上げた時でした。何と、そこには巨大な生物が水槽に覆い被さるように立っていたのです!」

そこまで語ると、紀子さんは恐怖にブルリと身を震わせた。取材班の間に、ピンと張り詰めた緊張感が漂い始める。

「突然の出来事に驚き、夫も私も必死で逃げました。しかし次の瞬間には私たち夫婦は空に浮いていました。何が起きたのかわかりません。パニックになっていると、何時の間にか四角い透明な物体に移動していました。私たち夫婦だけではありません。村魚全員です。

私たちを捕らえた謎の生物は、くりくりとした目で村魚を四方八方から見ていました。何かを確かめているように感じました。思えば、あの時にオスとメスを見定めていたんだと思います。」

それから程なくして、メスだけが村に帰されたと紀子さんは語る。オスたちは四角い透明な物体に入れられたまま、何処かへと消えてしまったとのことだった。

おかしな夢

事件発生の数日前に、少し奇妙な出来事があったと紀子さんは語る。

「夫が変な夢を見たと話してくれたのです。ここではない何処か、大きな長方形の容器の中で、ヒレナガニアンと称する異種族のメスと出会ったというのです。

夫だけではありません。隣の旦那さんも、ヒレの長いメスと夏のような空間で過ごした夢を見たそうです。」

果たして、今回の事件との関連性はあるのだろうか?

匿名の贈り物

一通りの取材を終え戻って来たスタッフは、デスクの上に無造作に置かれた封筒を発見した。

事務所は空になっていたはずである。

――……一体誰が?

不思議な話を見聞きするのと、自分で体験するのとでは、恐ろしさが全く違う。差出人の書かれていない謎の封筒を前に、スタッフ一同は固まった。

瞬時に静まり返った場に、誰かがゴクリと唾を飲んだ音が聞こえた。

しばしの沈黙。

「開けてみよう」とは誰も言葉にしなかった。だが、互いの顔を見合わせ頷くと、それが合図となって開封の儀式が行われた。

出て来たのは数枚の写真である。

「おい!コレって、まさか……?!」

スタッフの写真を持つ手が震えていた。手だけでは無い。声も震えていた。

この様な写真を送ってこれる者がいるのだとしたら、それは……!!

背中を冷たいものがゾクリと駆け抜ける。この事件をこれ以上追うなと、頭の何処かで警告が鳴った。

先程同様、一同は無言で顔を見合わせ、頷く。

その場で写真はシュレッダーにかけられた。取材に使用したデータは全削除され、幹之村で得た証言も全て破棄された。

真実を追う者として、それが正しい選択かはわからなかった。だが――

「生きてこそ、ですからね……。」

若手の放った言葉が胸にズシリと響く。窓の外に見える太陽は、朱に染まりながら西へ西へと傾いていた。

おわりに

えー、長々とすんません。おわかりの通り、ネタでございます。取材班って誰やねんw宇宙人役は里山です!

日曜日に松井ヒレ長と掛け合わせるために、オスの青幹之をプラケースに隔離しました。ただそれだけを記事にしてもつまらんかなぁ~と、ノリでやっちゃいました。

最初の構想では、この倍以上の長さの話でした。ですが、誰が読むんじゃい!ということで、結局ボツにしました。でもさ、たまには良くない?ダメ?

メダカたちからしたら、ヒトに掬われるのって「超」がつく恐怖だと思うんだ。水から出される上に宙に浮くんだから。ヒトで例えるなら逆バンジーじゃないかな。めっちゃ怖いやん!!

移動の際は丁寧に扱おうと、改めて思いました。

コメント

  1. ジークフリート より:

    小説家になれそうですね〜

    ところで、朝晩の寒さで燗酒が恋しい今日このごろですが、仕事から帰宅するともう暗く夕方の餌やりがどうかなと、、、

    当初は朝に一度だけでしたが、暖かくなってから朝晩の2回にしてました。

    そろそろ、一回でいいのかなと悩んでます。

    • Medaka.Satoyama より:

      ジークさんへ

      メダ子たちのエサですが、朝か昼に1回で良いと思います。
      私は基本朝1回で、休日など昼に遊べる時におやつでミジンコをあげています。