ミジンコ兵を引き連れ、メダカ王国に攻め入る里山です。
ケガメダカが一向に良くなっていません。というか、ケガじゃなくて病気的な何かである可能性すら浮上して来ました。
出血斑が出て来たのです。
去年死んだメダカに何処か似ています。
病気か寄生虫か、或いは先天的な何かか?全く解りません。
背ビレにも異常が出始めたので、もう一度間近で観察・調べ直してみることにしました。すると……???
塩浴からの経過
頭部や眼に出血が見られたメダカを発見したのは2月下旬です。
病的な所見は正直わかりませんでした。出血をしていたことから、何処かに身を潜めた際にぶつけてしまったのだろうと思いました。
まだまだ寒い時期です。驚いたメダカたちは、狭い場所に潜り込もうとしますからね。
塩浴から薬浴へ
2日程塩浴をさせて経過を観察。出血がやや引いた感があったこと、水カビ病らしき所見が頭部に現れ始めていたことから薬浴に切り替えました。
薬浴をして2日もすると、頭回りのモヤモヤは解消。通常の水に切り替え、エサを与えつつ養生させることにしました。
エサに興味を示さない
冬の間の絶食で痩せているにも関わらず、メダカはエサに全く興味を示しませんでした。
傷が回復しつつあるのならエサを食べてもおかしくないのに、このメダカ何だか変です。
治療後なので食欲が無いのかなと様子見。自分の食べたいタイミングで食べれるようにと、少しだけタマ子を放しておくことに。
タマ子は消費されることなく、今も容器の中を泳いでいます。
出血斑が出る
背中に異常を発見したのは昨日のことでした。保護した時には無かった出血斑がポツリと浮き出ていました。
↓保護直後。背中に異常は見られません。
↓今現在。眼球出血の見られる方側(左)の背に出血斑が見られます。
――病気っぽいが、何の病気かわからん。去年もコレ無かったっけ?
頭を過ぎったのは奇妙な死に方をしていたコスモメダカです。結局今も原因はわからぬまま。
「何だろう?何だろう?」とケガメダカを見ていたところ、背ビレにも異常があることに気付きました。モヤっとした部分が見られたのです。
尾ぐされ病を疑うも
尾ぐされ病とはカラムナリス菌により引き起こされる症状です。ヒレの先端部分が白く濁り、やがて組織が壊死します。
が、しかし。
尾ぐされ病を調べている内に、もっと可能性のある病気にぶち当たりました。
自分でフラグ引きまくり!エロモナスです。
エロモナスとは
エロモナス菌の感染によって引き起こされる病気です。(→参考:NISHIKIGOI・運動性エロモナスのページへ)
鞭毛が無く運動しない非定型エロモナス・サルモニシダ、鞭毛を持ち運動するエロモナス・ハイドロフィラーの2種がおり、世界中の何処の淡水中にでも存在しています。
病原性はそこまで強くありません。魚の抵抗力が弱い、外傷があるなどの悪条件が重なると感染・発症をします。
非定型と運動性のエロモナスで引き起こされる症状が違います。
非定型(鞭毛無し)エロモナスが原因の病気
穴あき病、せっそう病など。
運動性(鞭毛有り)エロモナスが原因の病気
赤斑病、立鱗病(松かさ病)など。
赤斑病の症状
ここで注目したいのは赤斑病です。去年死んだコスモ、今回のメダカに共通している「出血斑」の症状、経過が酷似しているからです。
特徴
・皮膚や鰭に皮下出血性の赤斑が見られる。
・立鱗を伴うことが多い。
・食欲不振、眼球突出(ポップアイ)、腹部の膨満などの症状が現れる。
発症・経過
・水温の変化が激しい時期や、水質が悪化した時などに発症し易い。
・急性であった場合、発病後1~2週間以内に死ぬ。
・慢性の場合、症状が現れてから数週間を経て食欲がなくなる。やがて動きが緩慢になって死に至る。
感染が濃厚
ここ最近は日中の気温の上昇、太陽光の角度の変化などで、1日の水温の変動が激しくなっています。
メダカたちの運動量は増えて来ましたが、水草の活動は未だ鈍く、濾過のサイクルが不十分です。水が汚れ易くなっています。冬の間に底石も汚れ、その役目を果たしていません。
感染魚がいてもおかしい条件ではありませんね。
もうひとつ、気になることを発見しました。
背骨が曲がっている
前回は気づきませんでしたが、今回は気付きました。このメダカ、背骨が曲がっています。
↓同じ水槽で飼育していた元気な幹之と比べると、その差一目瞭然。背中に変なカーブが無いので、シュッとした綺麗な背をしています。
ヒカリメダカであるコスモも、背骨の奇形が多かったです。一見何も関係無さそうなことなのですが、里山は関係していると思います。
過去にエロモナスの疑いで死んだメダカも、背骨の奇形が見られました。
はっきりとでは無いかも知れませんが、何かしらの影響はあると思っています。
おわりに
今回の件はケガではなく運動性エロモナスと思います。記事を書いている内に納得が出来ました。
ケガであった場合、やはり何処か不自然ですからね。
ともあれ、運動性エロモナスという病気に対して知識を得ることが出来ました。背曲がりに対しても、通常より弱い個体であるという認識が深まりました。
「異常を見抜く」というのは、熟練度が要りますね。