メダカを飼育して良かったなと、しみじみ思っている里山です。
職場のおっさんから鹿沼土を分けて貰いました。イチゴの水耕をするにあたり、「何も無しではダメじゃないか?」と助言を頂いたためです。
それはともかくとして、鹿沼土です。
鹿沼土は多孔性に富む土(石)です。性質は赤玉土とよく似ており、園芸の場で使用される基本的な土でもあります。
ですが赤玉土と違い、「メダカ水槽に使える」「ビオトープに良い」という情報は、ほとんど目にしませんよね?
今回は鹿沼土に付いて書いていきます。
鹿沼土とは
約4.5万年前に赤城山が噴火した時の火山灰が風化したものと言われています。主に栃木県鹿沼地方で採取できることからその名前が付いた、関東ローム層で採取できる土(石)です。
粒が潰れ難く、水はけと水持ちが良いとされます。
pHは4~5と酸性が強く、鹿沼土を使用した土壌は弱酸性~酸性土となります。
赤玉土と比べ非常に軽く、手で摘んだ感はスナック菓子のようです。見た目もきな粉を塗したあられみたい。
「土」と名が付く割にはフワッとしていて、ほとんど重量が感じられません。
多孔性の土とメダカ
鹿沼土は非常に軽い土(石)です。秘密は内部にあり、無数の穴が空いているのです。所謂多孔性の土なのです。
駆け出しメダカ飼育者はここでピンと来ます。
一般的に屋外水槽によく用いられる赤玉土も多孔性の土ですが、その孔(穴)がバクテリアにとって良い住処になると言われています。
――バクテリアの住まいとして、鹿沼は使えるのでは?
こう思ってしまうのです。
とんでもない落とし穴ですよ。
水と鹿沼土の相性
園芸土が水に与える影響云々の前に、鹿沼土には底土として使用するにあたり、致命的な弱点があります。
写真は鹿沼土を水に入れてみたものです。
おわかりですよね?
まるで牛乳に浮かせたシリアルのようです。
鹿沼土は軽石同様、底に沈まないのです。
日数が経てば……?
ある程度の日数が経ち、土の芯まで水が染み込めば、きちんと沈む可能性があります。
ですが、沈まない場合もあります。軽石も同様で、いくら水が染み込んでも沈まない石というのが存在するのです。
水質(pHなど)の変化をとやかく言う前に、沈まないのでは底石として使い物になりません。もし使用するとなれば、上に重石代わりの赤玉土や玉砂利を敷くこととなるでしょう。
鹿沼土で水槽を作り上げるとなれば、先ず土(石)を沈める工夫が必須になります。
手間隙を考えると、「手軽に使える」とは言い難いですよね。水槽の底土として、赤玉土と性質は似ているかも知れませんが、使い勝手は全然違います。
酸性に傾く水
鹿沼土を使用した土は酸性土となります。このことから、水槽に使用した場合も水質が酸性に傾くことが予想されます。
メダカは弱酸性を好む生物ですが、酸性に傾き過ぎれば……???
安心して使うには、検査紙などによる試験が必要かも知れません。
まとめ
・鹿沼土は多孔性に富む園芸土である
・酸性の強い土であり、使用した土壌は酸性土となる
・軽石同様、水に対し浮く
屋外水槽の立ち上げ当初はいろいろと底土を試したくなるものです。水槽作りの参考にして頂ければな、と思います。
追記
水に浸けて一晩たった鹿沼土の様子です。
濁りが随分と落ち着き、ほぼ透明。水を吸った土が底に沈んでいます。
数個浮いていますが、こちらは沈むことは無いでしょう。
こういった水を吸っても沈まない土が必ず出て来ますから、軽石や鹿沼土を利用する際は工夫が必要となります。(網で掬って捨てても構わないのですが、数が多いと大変です。)