寒い冬でもメダカ日和、里山です。
いきなりトラブルから始まった冬の飼育ですが、「やってみて良かった」と思います。
体験(経験)を超える学びはありません。どれだけwebや本で知識を詰め込んだとしても、わかった感じがするだけで、実際には何もわかっていないのです。
ちなみにチビ助たちは元気です。早い子はエサを食べ始めました。
夏はグリーンウォーターとミジンコ様にまかせっきりだった子守も、今回も同じように……というのは難しいかな?
昨日の続きを書いていきます。
プロに助言をもらおう
業者さんに怒っても仕方がありません。ただの八つ当たりです。
それに、生物はヒトの手でどうにかなる道具ではないのです。予期せぬ出来事や、取り巻く環境で状態が変わってしまうことは、よくあることです。
自分に出来ることは、「聞くこと」でした。
未成熟個体が生まれた時の対処方法を知らないからオタオタとしてしまうのです。きちんと方法がわかれば問題ありません。
販売先にメール確認をしたところ、すぐに答えは返って来ました。
未成熟個体が生まれたら
・10センチ角程度の清潔なガラス容器を用意する
・水深は10mm程にする
・エアレーションをして、毎日落ち着いた水で水を交換する
以上が教えて頂いた方法です。
ガラス容器を用意するのは、バクテリアの付着を防ぐためなのだそうです。(プラ素材より繁殖し難いとのこと)
時間経過で様子が変わることを頭に入れて
教えて頂いたものの、手頃なガラス容器がありません。エアレーションも常備していません。
時間的に無理があったので翌日実行に移すことにし、その日はプラケースのままで様子を見ることにしました。
――翌日
ケースの底に白くなった未成熟個体の姿がありました。
結局、荷物到着時に生まれていた個体は、翌朝になって全て死んでしまいました。
ガラス瓶に分ける
到着時に生まれていた未成熟個体は死んでしまいましたが、同じくらいの数が正常孵化していました。ピンピンとよく泳ぐ元気なチビたちです。
ケースの底の未だ孵化していない卵を見ると、チラチラと尾が見えました。例の卵膜が脱げない未成熟個体です。
稚魚は稚魚、卵は卵、未成熟個体は未成熟個体で、全部分けて管理することにしました。
一晩経って
3つに分けた容器の内、変化があったのは2つです。
未成熟個体を入れていた容器では、ヨークサックを吸収し、いくらか成長したチビが水面を泳いでいました。
水底で動けずに沈んでいた時とは大違いです。体の色も透明ではなく若干色が乗り、メダカの稚魚らしい姿へと変貌を遂げていました。
もうひとつ、卵のみを入れた容器でも、正常孵化したチビが確認出来ました。
環境が落ち着けば安定する
特別何かをしたわけではないのに、孵化してくる稚魚の様子が変わりました。環境が安定したためと思います。
輸送時とは違い、水温も一定で、水の揺れもほぼ無い環境です。
この光景を見た時、驚いて出て来てしまった未成熟個体たちは、どれだけ怖い思いをしていたのだろうと思いました。
必死で逃げようとしていたのでしょうか……。
ヒトの胎児は母体内で外界の音を聞いている(様子がわかる)そうですが、メダカの胚も発生が進むと外界の様子がわかるのかも知れません。
卵を扱う時は、今まで以上に慎重にやろうと思った瞬間です。
冬の飼育の必需品
実際に経験してみて、「絶対にコレがいる!」と思った道具が3つあります。
・水温計
・魚用ヒーター
・光
水温計は必須!
冬でも夏でも水温計は必須です。絶対に買うべきです。
里山自身、最初の頃は「別に無くても良いや」と思っていましたが、今は「絶対に必要」と思っています。
寒い時期の飼育、卵の管理時には水温を一定に保っておくことが大切です。夏もメダカの状態が知りたい時は水温を測ります。
水温計で都度温度を確かめ、加熱や冷却の措置をします。
熱源が無いと稚魚が死ぬ
春に生まれ、そのまま屋外環境で育っている成魚には、特にヒーターは要りません。冬の寒さにもじっとして耐えます。
ですが、冬に購入した成魚、卵(稚魚)には必要なアイテムです。
特に卵の場合、低水温で管理すると発生せずに死にます。
常時部屋の中で暖房を効かせて温めている場合でも無い限り、ヒーターによる加温(保温)が必要です。水温計とワンセットですね。
擬似太陽を作る
光の長短でメダカのホルモンの出方が変わります。
成長に必要なホルモンは、光量が少ないとあまり放出されません。大きく育てたいのなら、光は必要です。
冬が近付くにつれ、メダカの成長はゆっくりになり、やがて止まります。日照時間に関係しているのです。
他に用意した方が良いもの
必須では無いですが、あると間に合うことがあります。
・ガラス瓶
・エアレーション
・カルキ抜きした水
・落ち着いた心
ガラス瓶
今回の里山のケースのように、予期せぬ出来事があった場合に使います。
プラケースよりバクテリアが繁殖し難いとのこと。清潔な環境で休ませる必要のある個体(卵)などがある場合、きっと役立ちます。
エアレーション
「メダカ飼育にブクブクは必要ない」ということで、持っていない場合も多い物です。
場合によって酸素が必要となることもありますから、普段は稼働させずとも、準備しておいた方が良いかも知れません。
カルキ抜きした水
咄嗟に水が必要になることがあります。水道水はすぐ使えませんから、ペットボトルなどで汲み置きをしておきます。
落ち着いた心
冷静さを欠くと、大したことでもないのに大慌てすることになります。落ち着いて行動することが大切です。
おわりに
冬にメダカを育てるためには、「冬に春夏の環境」を作らないといけません。
買って来た成魚を泳がせるだけなら、販売店と同じ水温(だいたい25℃前後)を作るだけでも可能です。しかし、「冬に孵化をさせる」「産卵をさせる」となると、擬似的に春夏の環境を作り出す必要があるのです。
学べることが多いですし、やってみる価値はあると思います。
メダカの値段
冬にメダカを育てることは夏と比べて難しい上、余分なコストがかかります。
一年を通しメダカを流通させること、新たな品種を作り売り出すことは、一筋縄では行かないのです。
メダカ屋さんが一所懸命商売してくれるお陰で、里山も冬にメダカを買うことが出来ました。有り難いことです。
冬の孵化・飼育は、メダカの価格に関しても考え方が変わると思いますよ。