コスモメダカの孵化が順調で、ニッコリ笑顔の里山です。
前回記事の続きを書いていきたいと思います。
メダカの産卵は光依存ですが、卵の孵化は温度に依存します。春先に焦って卵を採っても、うまくいかないかも知れませんよ?
水温を計るのが面倒なら
メダカの卵と水温の関係は、非常に密接に関係し合っています。低ければ孵化せず、高過ぎれば奇形が出易いと、いかに適温に保てるかが重要です。
日本の何処に住んでいるかの地域差が出ますから、里山の住んでいる愛知をベースに話を進めます。
産卵し始める4月というのは、実は孵化させ辛い時期です。慣れた人なら良いのですが、初心者の場合はダメにしてしまうことが多いかと思います。
――何故か?
まだまだ気温が低い時期だから、です。
最高気温と最低気温
気象台のデータによりますと、名古屋の4月の平均気温は……
最高気温(℃) 19.9
最低気温(℃) 9.6
となっています。(参考:名古屋地方気象台HP)
最低気温が10℃を下回っており、気温の下がる夜間や明方が寒いことがわかります。
水温はヒーターを使用していない限り、気温(室温)と同じになろうとします。
もし屋外に水槽を置いていた場合、夜間の水温が10℃を下回っている可能性があります。ヒトの生活空間はそれより温かいのですが、加温無しでは15℃くらいでしょうか。卵の正常孵化に必要な最低ラインです。
最高気温もそこまで高くなく、孵化までに要する時間は必然と長くなってしまいます。この間、発育不良でダメになってしまう卵もいくつか出て来ることでしょう。
また親メダカも抱卵したりしなかったりで、産卵自体が安定していません。
GWからが狙い目
里山がイチオシの時期は5月です。4月と比べ日照時間が長いのはもちろん、気温の温かさを実感出来る時でもあります。
名古屋の5月の平均気温は……
最高気温(℃) 24.1
最低気温(℃) 14.5
4月と比べてどうですか?卵を孵化させるにはちょうど良い気温になっていると思いませんか?
気温だけで見れば6月の方が温かいのですが、その頃は梅雨時。カラッと晴れている日が減り(=雨空で外が暗い)、ジメジメとした嫌な日が長く続きます。
それが過ぎ7月、8月が来ると、逆に温度が高過ぎることで水温の管理が必要になって来ます。高水温は孵化が難しいだけでなく、孵化しても奇形が多いなど良い影響がありません。
水温の管理はしたくない、ほったらかしで孵化させたいというのなら、気温と相談してみて下さい。産卵シーズン内でベストな月があるはずです。
ただし晩夏を過ぎると採卵のチャンス自体がなくなります。そのことだけは忘れずに。
卵の管理をどうするか
卵の管理は水道水でOKです。蛇口から出て来る水が冷た過ぎる時は、汲み置いて温かくなるのを待ちます。(軽く湯煎しても良いです。)
雑菌の繁殖を防ぐために、2~3日置きに水を交換します。(里山の場合、水道水で毎日 → 2~3日に1回 → カルキ抜きした水で2~3日に1回 → 生まれそうになったら放置というパターンです。)
ツヤツヤした光沢のある有精卵と違い、無精卵には次第にカビが生え始めます。見つけたら即取り出し、他の卵がカビに侵されないよう注意します。
付着糸を取って卵をバラバラにしておくと後々の管理がし易いというのは、こういう時のためです。卵が複数絡んでいると処理し難いのですが、バラバラならカビの生えたものだけを簡単に取り出すことが出来ます。
里山はお掃除にスポイドを使用しています。
ホームセンターの文具売り場(習字道具のところ)で安く買ったもので、吸い込み口の大きさが卵より一回り大きく先が詰まることもありません。便利です。
卵の中に姿が見える
こまめに水を換え、ダメになった卵を処分しと、ちまちま世話をしていると、次第に卵の中に稚魚の姿が見え始めます。
こうなってきたら今までよりも少し丁寧に水の管理をしましょう。
優しくゆっくり水を注ぐようにするとか、汲み置いてカルキを飛ばした水を使うとか、その程度です。難しくありません。
その内、卵の中に小さな目が見え始めるはずです。くるんと卵膜の中で寝返り(?)をうつ姿を確認出来るようにもなります。
孵化まであと僅かです。
メチレンブルーを使う?
メチレンブルーという観賞魚用の薬品があります。この溶液に卵を浸すと有精卵の判別が簡単に出来る上、雑菌もわかないのだとか。
基本、里山は薬を使用しません。なのでこの件に関しては何もお伝え出来ません。
やってはいけない
採卵日のあまりにも違い過ぎる卵を、一括で管理するのは止めた方が良いです。
例えば、1週間前に採卵した卵の水槽に、1週間後に採卵した卵を入れたとします。この場合、前者と後者では孵化する日がかなりズレます。
2~3日前後のズレなら良いのですが1週間以上ズレ込むとなると、最初に生まれた稚魚の給餌が始まってしまいます。
つまり、エサで汚れた水の中で卵を管理することとなります。与えるエサによっては卵が死んでしまいます。
写真はエサで汚れた水槽です。
実はコレ、ミジンコ用のエサの残骸なんです。「ミジンコ以外にも稚魚にも与えられます」とのことだったので、与えてみたらこんなことになりました。
別に大量のエサをぶちまけたわけじゃないですよ?
茶色い沈殿物が目立つので、数日で稚魚用のエサに変えたんですが、時既に遅しでした。初めて使用したエサとはいえ、こんなことになるとは……。
稚魚たちは至って元気なのですが、このエサの残骸のせいでダメになってしまった卵がいくつかあります。また、卵膜についた汚れのせいで、きちんと殻を破れずにもがいていた子もいました。
採卵した日によって水槽は分けておきましょう。
おわりに
今現在、室内での水温は18℃で安定しています。昼間は22℃程。4月は日中でも15℃~18℃で推移していたことを考えると、今の方が孵化させ易いことがわかります。
親メダカも毎日卵を産んでいますし、朝から元気に泳いでいます。「エサちょうだい!」とおねだりも忘れません。
4月の卵より5月の卵の方が初心者には育て易いと思います。卵が沢山採れる上に、ほぼ放置で孵化しますから。
5月生まれなら3ヵ月後(=夏)に卵を抱える可能性も大です。うまくいけば早々と2世を見ることが出来ます。
この時期にワクワクしない飼い主がいるんだろうか?毎日が楽しみで仕方ありません。
また明日続きを書きます。