メダカの僕、里山です。
星河のチビたちを観察していたところ、ふっとエビちゃんが目に留まりました。
透明な体の中に内臓器官(エビミソですな)が見えるのですが、どうもその形状が変。やたらと大きくて、体の半分を占めるくらいになっていました。
一方で、普段通りの個体もチラホラ。
早速網で掬って観察。よ~く見ると、卵状のツブツブが!
じきに大潮が巡って来ます。2日程前に脱皮殻があちこちに落ちていたので、今回も何かあるかも知れませんね。
卵巣の発達したメス
前述のツブツブの正体は、どうやら発達した卵巣のようです。
今までもこういった状態のメスは居たのでしょうが、全く気にしていませんでした。改めて見てみると、ちょっと気持ち悪い生命の躍動のようなものを感じますね。
オス、もしくは成熟していないメスには、卵巣が見られません。
初産卵とメスの腹節
卵巣が発達したメスですが、初の産卵の可能性があります。
メスの腹節は腹側の末端で山型になっており、全体的にもこもことしています。卵の付いた腹肢を畳むと、すっぽり収まるようになっているのです。卵を隠せるようになっているんですね。
ですが、このもこもこ。最初からあるわけではないのです。
メスでも初めての産卵前脱皮を行なうまでは、腹節がスッとしているのだとか。つまり、オスと同じような形態をしているのです。
↓オス、もしくは未成熟個体。腹節が無く、どこかスマートな印象。
↓このメスの腹節も、スッとしています。
↓別のメスの写真と比べて見ます。点々が付いている部分までが腹節(殻)です。
15日の大潮を前に、明日か明後日に脱皮をするのでしょうか?
受精卵が生まれる
メスはオスとの交接の際、精包という精子の詰まった袋のようなものを受け取ります。精包は受精嚢に入ります。
それをどのような方法で、どの場所で受精させるのかまではわかりませんでしたが、メスの体内から排出されるのは受精卵とのことでした。
受精卵は精包が入ったのと同じ道筋を通り、体外に出ます。腹肢(お腹のヒラヒラ)の間に綺麗に並ぶように排出され、メスは卵を抱いた状態になるのです。
2つの大潮
画像:こよみのページ・月齢カレンダーより
今度の大潮は新月の大潮になります。
――満月の大潮と新月の大潮、一体何が違うのか?
――明るい夜と暗い夜、産卵に影響は無いのか?
気になり出したら、疑問が噴出。(笑)
潮位の差が出る
詳細は省きます。(天体とか物理とか、いろいろあるので)
満月の大潮と新月の大潮とでは、潮位(潮高。一定基準から測った海面の高さ)に差があります。新月の大潮の方が潮位が高くなるそうです。
明暗でホルモン分泌が変化?
エビの産卵についての記述は見つけられませんでしたが、満月(明るい夜)と新月(暗い夜)のリズムは、サンゴ礁に住む一部の魚類の産卵に影響があるのだとか。
満月の夜はメラトニンの分泌が低下、新月の夜には上昇するそうです。(→参考PDF)
これ、メダカのサイクルと似ていますね。
メダカの場合、日が長くなる(明るい)夏にはメラトニンが抑制され、日が短くなる(暗くなる)冬には分泌量が多くなります。
明暗のリズムで時を計っているのです。
おわりに
卵巣の発達したメスが居れば、卵を抱えたメスもいます。次回の大潮では何が起きるのでしょうか?
多分何かが起きていても、メダカとミジンコで一杯いっぱいの里山では、気付くのが遅れてしまうでしょうが。(苦笑)
まぁ、楽しみではあるよね。