ゆで卵が美味し過ぎて、毎日卵を茹でている里山です。
新しくなった青幹之水槽ですが、先日の記事でも書きましたように水が汚れ始めました。
一緒に入れてあったアナカリスにも変化が現れ始めました。
もともと若干藻が付着していたのですが、葉の表面の藻が目に見えて濃くなりました。触れるとヌルヌルとし、水に浮かすと葉の表面に付着する藻がはっきりと見えます。
もっさもさです。が、よく見てみると……。
脇芽はつるつる
青幹之の水槽から取り出したアナカリスを洗面器に浮かべてみました。写真を見てもわかるように、アナカリスの表面を藻(苔)が覆っています。
触れるとヌルリとし、本来の感触とは大違い。
軽く水で洗い流し、植物の様子を窺ってみました。すぐに藻で覆われていない部分があることに気付きました。
脇芽の部分です。
買ってきたアナカリスと水質
藻の付着していない脇芽を見た時、思い出したのは購入直後のアナカリスでした。
販売店の水質と里山宅の水質が違い過ぎたのでしょう。アナカリスはすぐに色を落とし、汚くなっていきました。
一方で色を落とさず、元気に見える部分もちらほら。本体からひょっこりと顔を出した脇芽です。
急に合点がいって、すぐに脇芽を切り離しました。
こうすることで脇芽が大きく育ってくれるのを、経験して知っていたからです。(後の記述にある頂芽優性という性質を知ったのは、この記事を書いている時です。)
何で藻が生えるのか
水草表面の藻(苔)の繁殖理由は何なのでしょうか?
1つの大きな要因は水質です。水中に栄養物が漂っていれば、水草も苔も育ちます。より繁殖力の強いものが勝ち、他を駆逐していくことになります。
里山宅のアナカリスを観察してみたところ、弱っている部分に藻が付着していることが多いようでした。
力関係で負けたんでしょう。
古くなり硬くなった部分や、これから枯れていく部分などが負け易い部分です。生命力に富み、イキイキとした脇芽には藻はほぼ生えません。
日和見感染みたいですね。
頂芽優性
頂芽優性(ちょうがゆうせい)とは、植物の茎の先端にある頂芽の成長が、脇芽(側芽)の成長よりも優先される現象のことです。
後になって横から出て来た芽より、もともとの頭であった部分の成長が優先されるのです。
脇芽は本体にくっ付いたままなら脇芽のままですが、本体から切り離したら脇芽じゃなくなりますよね?
脇芽だった部分は一転、今度は頂芽になるのです。成長が促進されます。
放置は危険
アナカリスは丈夫な水草です。水槽の水質に適応さえしてくれれば、脇芽を出してどんどんと広がっていきます。
しかし、そのまま放っておくと残念な結果になることも。
ボーボーになり過ぎてしまう
水槽がアナカリスだらけになります。当然、一緒に暮らしている生物にも影響が出て来ます。エビちゃんなどは平気かも知れませんが、メダカにとっては泳ぎ辛いでしょう。
何より、怖いのは夜間です。
植物は昼夜を問わず呼吸をしています。酸素を出すイメージのある植物ですが、実は絶えず酸素を消費し、二酸化炭素を排出しています。
昼間は光合成による酸素排出が勝るので問題無いのですが、夜間は二酸化炭素の排出が増えることになります。
普段はエアレーションを必要としないメダカ飼育ですが、(水槽内の環境によって)夜間のみエアレーションを行うことが勧められるのはその為です。
枯れる
繁殖し過ぎたアナカリスのせいで、水槽の底まで光が届かなくなります。流木や底石を這うように生えていた植物は、当然枯れることに。
アナカリス自体、光の当たらなくなった部分が枯れてしまいます。
適度にメンテをしよう
メンテをすること上記の2点を防ぐことが出来ます。良い状態を持続させたい、数を増やしたいと思うのならメンテは必須ですね。
また、メンテをすることでスネールの繁殖を抑えることも出来ます。付着した卵を除くだけで何十匹と退治したことになるのですから、その効果は大きいです。
おわりに
水草の世界も知ると楽しいです。
里山が育てているのは初心者でも簡単に育てられる水草ばかりです。ですが、それすら育てられないようなら、何も育てられない気がします。
先ずはアナカリスでこつこつ学んでいきたいと思います。
極めれば……?
中には水草で芸術作品を作り出す人もいるのです。イマイチ水草に興味が持てず、すぐ枯らしてしまうというのなら、視覚から入るのはどうでしょうか?
アクアデザインアマノ(ADA)さんの開催している「世界水草レイアウトコンテスト」の作品は、どれも絵画にしか見えないくらいにスゴイよ!(→GP作品ページへ)
作品を眺めているだけで、水草の世界に引き込まれて行きます。