幹之たちとの触れ合いに癒される里山です。
先日の記事でアナカリスを取り上げました。
今回もアナカリスの話ですが、コザラガイにもスポットを当ててみることにします。
里山宅にある水槽の中で一番アナカリスの生育具合が良いのが白幹之の水槽です。残念ながら、この水槽にはエビちゃん投入と同時にコザラガイが発生してしまいました。
もちろんアナカリスにもくっ付いているのですが……。
好みの場所がある
コザラガイの観察をしていて気付いたことがあります。彼らにも好みの場所があるようで、そこ以外ではほとんど姿を見ないのです。
一番数が多いのが流木。次いで水面近くの水槽壁。後はアナカリスとホテイアオイなどの水草です。気付かないだけかも知れないですが、上記にあげた場所以外で姿を見かけることがありません。
何があるのか?
単純に考えて、彼らのエサが豊富なんだろうと思いました。
流木には藻が付着していますし、表面の凹凸や小さな穴にバクテリアなども多く住み着いていると思われます。
水槽壁にも藻は生え易いですよね。水面近くというのがポイントで、水位ギリギリの水と大気の境界に当たる部分は藻が繁殖し易いです。(飼育ケースをよく見るとわかります。水を張って放置しておくと、境界に沿ってラインが入りますよね?)
食べ物に乏しい場所に、自ら好んで住む生物もそういないでしょう。その場所に行けばエサが豊富にあることをわかっているのだと思います。
水草の成長とコザラガイ
コザラガイは水草にも付きますが、やはり場所に好みがあります。
写真は水槽から取り出したアナカリスです。このアナカリス、よく見るとコザラガイが多く集まっている部分があります。
頂(頭)の部分と、下の方の古くなった部分を比べると、その違いがわかります。
↑頂。付いてはいますが、ちょん、ちょん、と1~2個点在する感じ。
↓古い部分。写真がボケで見えづらいですが、黒っぽい点は全てコザラガイです。
ホテアイアオイの場合も同様で、外側の古くなった葉の裏などにその姿をよく見かけます。彼らにとって古くなった水草はご馳走なのです。
デトリタス(Detritus)
動植物の体組織由来の物質(遺体、脱皮殻、枯葉など)や排泄物といった生物由来の物体は、微生物による分解や物理化学的な作用により、次第にその姿を失くしていきます。
失くしていくと言っても、急に分解され見えなくなるわけではありません。
タンパク質を分解するにはタンパク質を必要としている微生物が、糖を分解するには糖を必要としている微生物が……と言うように、1つの物を分解するのに数多くの微生物群が関わっています。
このような微生物群集をデトリタスと言います。
生物界にはこのデトリタスを食するものがいます。特に水中に多く、貝もデトリタス食者の内の1つです。
デトリタスを食す → 排泄 → 排泄物を微生物が分解……といった過程を経て、分解され難かったものも最終的には細かく分解され、無機物へと変わっていきます。
悪者はいない
スネールの記事に毎回書いている気がしますが、スネールは決して悪者でも害虫でもありません。
アクアリウムにおける彼らの行動の一部分だけを見て、勝手にそう判断している人がいるだけです。
おわりに
どうでしょうか?こうして書いてみると、寧ろスネールがいてくれた方が良いような気がしませんか?
最終的には飼育者の判断ですけど。
それにしても生物って賢いですよね。コザラガイひとつにしても、きちんと自身の役割を知っているようです。
一所懸命生ききることで、彼らは世界を回しています。